他の羊について

2015/07/02 0

JW 教理

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他の羊について

ヨハネ 10:16
16 「また,わたしにはほかの羊がいますが,それらはこの囲いのものではありません。それらもわたしは連れて来なければならず,彼らはわたしの声を聴き,一つの群れ,一人の羊飼いとなります。

このイエスの言葉は、2000年も先の他の羊の大群衆の預言でしょうか、それともやがて生じようとしていた諸国民の改宗のことでしょうか。

ものみの塔協会は、前者の立場で他の羊を地的クラスと教えています。それで多くのエホバの証人は自分たちが他の羊の地的クラスであると信じています。それで、このイエスの言葉を正しく理解することが人々が抱く希望と直接関わってきます。

まず、聖句の文脈を見てみましょう。

ヨハネ 9章によると、イエスが癒した盲人がパリサイ人たちにより会堂から追放され、その後にイエスに出会った際、そこに居合わせたパリサイ人たちとのやり取りの中で、パリサイ人たちに向かってイエスはご自分の羊についてのたとえ話を始められたことが分かります。

ヨハネ 9:35-10:1
35 イエスは,彼らがその人を追い出したことをお聞きになった。そして,彼を見つけると,こう言われた。「あなたは人の子に信仰を持っていますか」。36その[人]は答えた,「ですが,だんな様,それはどなたのことでしょうか。わたしがその方に信仰を持てますように」。37 イエスは彼に言われた,「あなたはその者を見ました。しかも,あなたと話しているのがその者です」。38 すると彼は言った,「わたしはほんとうに[その方に]信仰を持っています,主よ」。そして彼は[イエス]に敬意をささげた。39 するとイエスは言われた,「[この]裁きのためにわたしはこの世に来ました。すなわち,見えない者が見えるようになり,見える者が盲目になるためです」。40 パリサイ人のうち[イエス]と一緒にいた者たちがこれらのことを聞いて,彼に言った,「わたしたちも盲目であるというわけではないでしょうね」。41 イエスは彼らに言われた,「あなた方が盲目であったなら,あなた方には罪がなかったでしょう。しかしあなた方は今,『わたしたちは見える』と言います。あなた方の罪は残るのです」。

10:1 「きわめて真実にあなた方に言いますが,羊の囲いに戸口を通って入らず,どこかほかの場所からよじ登る者,その者は盗人であり,強奪者です。

ヨハネ 10:3-6
3 戸口番はこの者に対して[戸を]開け,羊はその声を聴き,彼は自分の羊の名を呼んで導き出します。4 自分のものをみな外に出すと,彼はその前を行き,羊はあとに付いて行きます。彼の声を知っているからです。5 よその者には決して付いて行かず,むしろその者からは逃げるのです。よその者たちの声を知らないからです」。6 イエスはこの比喩を彼らに話された。しかし彼らは,自分たちに話されていることがどういう意味なのか分からなかった。

それから、7-15節でイエスは、立派な羊飼いが羊のために命をなげうつことを話され、羊飼いは羊を、羊は羊飼いを知っていることを強調しています。

そして、10:16節で他の羊について言及します。そこで言われたことは、他の羊もイエスの声に従い一つの羊の群れ、ひとりの羊飼いとなるということです。

それで、本来の囲いの羊も、他の羊も、イエスの声に聞き従うということに注目できます。

この特徴は、イエスの声に聞き従わないユダヤ教の宗教指導者たちとその追随者たちと対照を成しています。

イエスに従わないユダヤ人たちにイエスはこれらのたとえを話しています。

ヨハネ 10:16-21
16 「また,わたしにはほかの羊がいますが,それらはこの囲いのものではありません。それらもわたしは連れて来なければならず,彼らはわたしの声を聴き,一つの群れ,一人の羊飼いとなります。17 このゆえに父はわたしを愛してくださいます。すなわち,わたしが自分の魂をなげうつからです。それは,わたしがそれを再び受けるようになるためです。18 だれもわたしからそれを取り去ったわけではなく,わたしはそれを自分からなげうつのです。わたしはそれをなげうつ権限があり,またそれを再び受ける権限があります。このことに関するおきてをわたしは自分の父から受けました」。
19 これらの言葉のために,ユダヤ人の間に再び分裂が生じた。20 彼らのうち多くの者は,「彼は悪霊につかれ,気が狂っている。どうして彼[の言うこと]を聴くのか」と言っていた。21 ほかの者たちは,「これは悪霊に取りつかれた人の言うことではない。悪霊が盲人たちの目を開けることなどできないではないか」と言うのであった。

このように生来のユダヤ人の中でイエスに聞き従う人とそうでない人がいました。
元々イエスは生来のユダヤ人の下に神から遣わされていましたので、生来のユダヤ人の中でイエスに信仰を働かせその声に聞き従う人をは本来の羊と見なすことができます。

そうすると、イエスが述べておられる他の羊とは、誰のことを指しているのでしょうか。

イエスの声に聞き従う生来のユダヤ人以外の人々がいますか。

歴史の事実は、ユダヤ人から異邦人と呼ばれていた諸国の人々がイエスに信仰を働かせ、その声に聞き従うようになったことを物語っています。

イエスの地上での宣教は、アブラハムの生来の子孫であるユダヤ人の間でなされました。以下の聖句はそのことを示しています。

マタイ 15:24
24 [イエス]は答えて言われた,「わたしは,イスラエルの家の失われた羊のほかはだれのところにも遣わされませんでした」。

ヨハネ 1:11
11 彼は自分のところに来たのに、その民は彼を迎え入れなかった

アブラハムの生来の子孫の大半は、アブラハムの主要な胤であるイエスを受け入れませんでした。
イエスを受け入れた少数の残りの者をのぞいて大半のユダヤ人はイエスの羊ではないことを示しました。

イエスの声に従った生来のユダヤ人たちは、イエスのたとえ話の中の囲いの中の本来の羊で表されます。

イエスキリストはアブラハム契約の主要な胤としてアブラハムの生来の子孫の下に遣わされました。
それで、神の救いの計画を理解するためにはアブラハム契約の内容を理解する必要があります。

アブラハム契約

神の言葉に従い約束の地カナンへ向かうアブラハムは、紀元前1943年のニサンの14日にユーフラテス川を渡たりました。その時神はアブラハムと胤の約束をなさいます。

それから約40年後、神はアブラハムに青年のイサクを犠牲として捧げるように求められます。
アブラハムは自分の最愛の独り子イサクと共にモリア山に登り、そこで祭壇を築きイサクを犠牲にする寸前に神の介入によりその信仰の試みは終了します。

それは、将来神がアダムの子孫を罪から救出するために、ご自分の独り子を人類の贖いの犠牲とされることを表す預言的な劇となりました。

その際、神はアブラハムに胤の約束を誓いを持って保証されました。

創世記 22:12, 15-18
12 すると[み使い]はさらに言った,「あなたの手をその少年に下してはならない。これに何を行なってもならない。わたしは今,あなたが自分の子,あなたのひとり子をさえわたしに与えることを差し控えなかったので,あなたが神を恐れる者であることをよく知った」。
15 次いでエホバのみ使いは再度天からアブラハムに呼びかけて16 こう言った。「『わたしは自らにかけてまさに誓う』と,エホバはお告げになる,『あなたがこのことを行ない,あなたの子,あなたのひとり子をさえ与えることを差し控えなかったゆえに,17 わたしは確かにあなたを祝福し,あなたの胤を確かに殖やして天の星のように,海辺の砂の粒のようにする。あなたの胤はその敵の門を手に入れるであろう。18 そして,あなたの胤によって地のすべての国の民は必ず自らを祝福するであろう。あなたがわたしの声に聴き従ったからである』」。

この神の約束により、キリストは人類を祝福するアブラハムの主要な胤として生来のアブラハムの子孫であるイスラエルに遣わされました。

このアブラハム契約の条項の「地のすべての国の民は必ず自らを祝福するであろう」は、どのように成就するのでしょうか。

西暦一世紀に使途パウロはその聖句の成就として次のように述べています。

ガラテア 3:7-9, 14, 26-29
7 あなた方は,信仰を堅く守る者がアブラハムの子であることを知っているはずです。8 さて,聖書は,神が諸国の人々を信仰によって義と宣することを予見し,前もってアブラハムに良いたよりを宣明しました。すなわち,「あなたによってすべての国民が祝福されるであろう」と。9 したがって,信仰を堅く守る者は,忠実なアブラハムと共に祝福されているのです。
14 その目的は,アブラハムの祝福がイエス・キリストによって諸国民に及び,こうしてわたしたちが,約束された霊を自分の信仰によって受けるためです。
26 現にあなた方は皆,キリスト・イエスに対する信仰によって神の子なのです。27 キリストへのバプテスマを受けたあなた方は皆キリストを身に着けたからです。28 ユダヤ人もギリシャ人もなく,奴隷も自由人もなく,男性も女性もありません。あなた方は皆キリスト・イエスと結ばれて一人の[人]となっているからです。29 さらに,キリストに属しているのであれば,あなた方はまさにアブラハムの胤であり,約束に関連した相続人です

信仰を堅く守る者がアブラハムの子である、
アブラハムの祝福がイエス・キリストによって諸国民に及び、
キリスト・イエスに対する信仰によって神の子なのです、
キリスト・イエスと結ばれて一人の人となっている、
キリストに属しているのであれば、. . . アブラハムの胤であり、約束に関連した相続人です、
このようにパウロは、キリストを受け入れた異邦人、諸国の人々がアブラハムの生来の子孫であるユダヤ人と共に約束の相続人となったことに創世記 22:18 節のアブラハムの祝福をを適用しています。

また彼は、エフェソス書のなかで、ユダヤ人と異邦人を隔てていた律法契約がキリストの死により取除かれ、神が人類を分け隔てなく扱うようになった事実を強調しています。

エフェソス 2:13-22
13 しかし,かつては遠く離れていたあなた方が,今やキリスト・イエスと結ばれ,キリストの血によって近い者となりました。14 [キリスト]はわたしたちの平和であり,二者を一つにし,その間にあって隔てていた壁を取り壊した方なのです。15 この方は自分の肉によって敵意を,すなわち[数々の]定めから成るおきての律法を廃棄されました。それは,二つの民をご自身との結びつきのもとに一人の新しい人に創造し,平和を作り出すためでした。16 またそれは,両方の民を一つの体とし,苦しみの杭を通して神と十分に和解させるためでした。彼は自分自身によってその敵意を抹殺したからです。17 そして彼は来て,遠く離れた者であったあなた方に平和の良いたよりを,また近い者たちにも平和を宣明したのです。18 この方を通してわたしたち両方の民は,一つの霊のもとに父に近づくことができるからです。
19 それゆえ,あなた方はもはや決してよそ者や外人居留者ではありません。聖なる者たちと同じ市民であり,神の家族の成員なのです。20 そしてあなた方は使徒や預言者たちの土台の上に築き上げられているのであり,キリスト・イエスご自身は土台の隅石です。21 彼と結びあって建物全体は調和よく組み合わされ,エホバのための聖なる神殿に成長してゆきます。22 彼と結びあってあなた方も共に築き上げられ,神が霊によって住まれる所となってゆくのです。

エフェソス 3:5-6
5 ほかの世代において,この[奥義]は,今その聖なる使徒や預言者たちに霊によって啓示されているほどには,人の子らに知らされていませんでした。6 すなわちそれは,諸国の人々が良いたよりを通してキリスト・イエスと結ばれて,共同の相続人,同じ体の成員,わたしたちと共に約束にあずかる者となる,ということです。

このように西暦1世紀に、神は生来のユダヤ人と異邦人の両方の民をキリストにおいてひとつにされました。

その事実に基づいてヨハネ 10:16 節を理解するべきではありませんか。

ヨハネ 10:16
16 「また,わたしにはほかの羊がいますが,それらはこの囲いのものではありません。それらもわたしは連れて来なければならず,彼らはわたしの声を聴き,一つの群れ,一人の羊飼いとなります

それで、他の羊は、キリストを受け入れその声に聞き従う異邦人のキリストの弟子たち、約束の相続人、アブラハムの胤の成員となる人々のことです。

それは、2000年後の地的クラスではありません。そのような解釈を裏付ける聖句はありません。
キリストの死と復活は、神の管理の新たな局面を進展させました。その時以降、神は全人類をキリストにおいて同じように扱っておられます。

イエスは宣教期間中、主にイスラエルの失われた羊を導きました。
その宣教の終わりごろ、イエスはご自分の犠牲の死と復活の後、異邦人の扱いに関して、あらゆる人々を招くと保証されています。

ヨハネ 12:20-21, 32
20 さて,祭りに出て崇拝するために上って来た人々の中に数人のギリシャ人がいた。21 それで,それらの者たちが,ガリラヤのベツサイダから来ていたフィリポに近づき,「わたしどもはイエスにお会いしたいのですが」と頼みはじめた。22 フィリポはやって来て,アンデレに告げた。アンデレとフィリポは来て,イエスに告げた。
32 しかしわたしは,自分が地から挙げられたなら,あらゆる人をわたしのもとに引き寄せます」。

以上、神の言葉は、他の羊が異邦人のクリスチャンたち、約束の相続人、アブラハムの胤の成員であることを示しています。
つまり、他の羊は、キリストに信仰をもち、その言葉に聞き従うわたしたち異邦人のことです。
それで、わたしたち非イスラエル人も約束の相続人であり、アブラハムの胤の成員であるということです。

エホバの証人の地的クラスの教えにより、この事実を受け入れることに抵抗を感じる方がいると思いますが、聖書そのものはそのようにわたしたちの思いを導いています。

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プロフィール



1972年にバプテスマを受けてクリスチャンになりました。

その後、エホバの証人として宣教活動を40年ほど行い、長老のときに「ものみの塔協会」の方針と異なる立場をとったために長老を削除されました。

長年のエホバの証人としての人生は「ものみの塔協会」の崇拝の様式とキリストの教えとの不調和を経験することになり、「ものみの塔協会」の始まりからの歴史をインターネットを用いて調査し、この団体がロスチャイルド資本によるシオニズム運動の器として始まったこと、宗教組織を利用したロスチャイルド資本の国際投資企業であること、小児性愛者の不適切な扱い、預言や教理上の破綻などの腐った実を知りました。

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